MOSは恥ずかしいし、スキルの証明には役に立たない。それでも受けるべき理由

MOS資格を取ろうと調べていたところ、検索キーワードの候補に「恥ずかしい」「役に立たない」と表示され、困惑していないでしょうか。

せっかくお金と時間をかけて勉強するなら、実務の役に立って、公言しても恥ずかしくない資格を取りたいですよね。

結論、MOSをスキルの証明としてアピールするのは恥ずかしいです。
誰でも勉強すれば、ほぼ確実に合格できる試験だから。
MOSを持っているだけで、「昇進が有利になる」とか、「採用されやすい」とはなりにくい資格であることも紛れもない事実です。

ただ、実務では間違いなく、役に立ちます。
IT会社でエンジニア7年、外資コンサルを経て独立後に、MOS資格を取得した私が断言します。

「取っても意味ないよ」「受けるのすら恥ずかしいよ」と言っているのは、おそらくMOSを勉強したことがなく、資格を持っていない人達です。

この記事では

  • MOSが恥ずかしいと言われる理由
  • MOS資格が役に立つ根拠

をお伝えします。

じゃぱそん(田中 慎也)

株式会社じゃぱそん代表。

  • 株式会社東京リーガルマインド(LEC)提供の「MOS365講座(Excel)」講師
  • 「最短合格!MOS Word 365徹底演習」(日本能率協会マネジメントセンター様)著者
  • 株式会社DIK&Company主催のExcel講座「ExcelCamp」講師
  • 自社のWebライティング講座「ライじゃぱ」講師・運営統括

株式会社大塚商会にてエンジニア、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社にてITコンサルタントを経て現職。

前職の経験を活かし、オンラインで講師を務める。ITツール全般、プログラミング、ライティングを得意とする。現場で200名以上にプログラミングを教え、オンライン教育プラットフォーム「Udemy」では2,500名以上に動画講座を提供。

MOSが恥ずかしいと言われる理由(使えて当たり前・簡単・MOSへの誤解)

MOSが恥ずかしいと言われる理由は3つ。

  1. Word・Excelは最低限使えて当たり前だから
  2. 勉強すればほぼ確実に合格できる資格だから
  3. MOSで学ぶ内容が、実際よりも簡単と思われているから

順に解説します。

1.Word・Excelは最低限使えて当たり前だから

1つめの理由は、今や、Word・Excelは最低限、使えて当たり前になりつつあるからです。

一部(大工・運転手・手作業職人など)を除き、ほとんどの職種で、最低限のパソコンスキルは必須です。
Word・Excel等のOfficeソフトについても、確認するまでもなく、基本操作を行えることは、仕事をする上で前提となっています。

そのためMOS資格の過度なアピールは、反対に「Word・Excelを最低限しか使えない」ことの主張にも聞こえてしまい、恥をかく可能性があります。

2.勉強すればほぼ確実に合格できる資格だから

2つ目の理由は、勉強すればほぼ確実に合格できる資格だからです。

合格率は公表されていませんが、難易度的に考えて、「ITパスポート」以上だろうと推測します。
ITパスポートとは、「非エンジニア向けの最低限のIT知識を証明する」試験です。

ITパスポートの合格率はおよそ50%なので、2人に1人は合格できます。
(他の記事でMOSの合格率は60%、80%といった数値が書かれていましたが、いずれも根拠が曖昧でした。話し半分に捉えることをオススメします。)

実際、私の講座の受講生も、8名中8名全員が、勉強を始めて3週間以内に1発で合格しています。
つまり、何度も受けて取るような難しいものではなく、勉強すればほぼ確実に合格できる簡単な資格です。

対策すれば誰でも合格できるのに、努力して資格を取ったことを主張してしまうと、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。

※ITパスポートについて、詳しくはこちらの記事を参照ください

3.MOSで学ぶ内容が、実際よりも簡単と思われているから

最後の理由は、MOSで学ぶ内容が、実際よりも簡単と思われているから。
MOSで学べるのは基本的な操作ですが、この「基本的な操作」について、世の中のイメージと、MOSでは乖離があります。

例えば、「Excelの基本的な操作」と言われて、何を思い浮かべるでしょうか。

  • セルや行、シートの追加
  • セルに対する文字や数字の入力
  • 新規ファイルを作成

おそらく、このあたりでしょう。

MOSの試験では、これらの操作は試験範囲ですらありません。
知っている前提で、より応用的な内容が問われます。

例えば、こんな問題が出題されます。

テーブル「試験一覧」をフィルターして、試験名が「国語」のレコードだけを表示してください。レコードを削除してはいけません。
セル範囲B11:D14をコピーし、行と列を入れ替えてセルA21を基点とする位置に貼り付けます。

一般的な「Excel・Wordの基本的な操作」より、MOSの内容はずっと深いのです。

ただ、MOSは「ExcelやWordの(世間一般のイメージでの)基本的な操作ができれば、取れる資格」としか認識されていません

  • Word・Excelは最低限使えて当たり前
  • 勉強すればほぼ確実に合格できる資格

これらの事実と合わさって、MOS試験を受けることすら、「恥ずかしい」という言葉に繋がっているのかもしれません。

MOSを履歴書に書くこと自体は恥ずかしいことではない

MOSの資格を履歴書に書くのは、恥ずかしいことでないです。

仮に
「うわ・・この人、MOSなんか履歴書に書いているよ・・恥ずかしい」
みたいに考える採用担当の人がいたとして、そんな会社で働きたいと思うでしょうか。

特に気にせず、履歴書に書いて、問題ありません。

ただし、面接での過度なアピールは厳禁です。
こちらからは特に話題に出さず、質問されたら答えるようにすると良いでしょう。
その際も、WordやExcelのスキルがあることをアピールするのではなく、

  • Officeソフトは、会社の先輩からなんとなくしか教わってこなかったので、一度体系的に学びたいと考えた
  • 実務でわからない機能をネット検索する機会が多く、非効率に感じた
  • (受けて得られたことを聞かれたら)Word・Excelの操作で悩む機会が減り、考えることなどより重要なことに時間を割けるようになった

など、取得に至った背景と、取得後に得られた成果を中心に話すと良いでしょう。

資格だけでスキルの保有をアピールするのは、MOSに限らず、逆効果です。
これまでの経験がより大事で、資格はおまけと考えることをオススメします。

MOS資格はスキルの証明としてではなく、実務で役に立つ

ここまでにお伝えしたとおり、MOSの資格は、スキルの証明としては役に立たない、と考えた方が良いでしょう。保有を強くアピールすると、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。

ただ、実務では間違いなく、役に立ちます。
私の体験談と、合格者の声からお伝えします。

エンジニア→コンサルを経た後にMOSを受験した、じゃぱそんの体験談

私はエンジニア8年、外資コンサル半年間を得て、独立しました。
MOS試験を受けたのは、独立したあと、です。
まず感じたのは、「もっと早く勉強しておけばよかった」ということ。

エンジニアとしてExcelでマクロを使いこなし、コンサル会社ではショートカットキーを使ってプレゼンやら分析やらにバリバリ使っていたにもかかわらず・・
知らなかった便利機能が、MOSからたくさん学べたのです。

合格者の声(スキルが身についた・コンプレックス解消・自信がついたetc)

私のMOS講座の受講生から、合格者の声を紹介します。

総じて、「資格を取れたこと」よりも、「資格を取る過程で得られたスキル・経験」にフォーカスした意見が多く見られました。

  • スキルが手に入った
  • Excelコンプレックスが解消され、自分に自信がついた
  • Excelが楽しくなった
  • より重要な業務に時間を割けるようになった
  • これからの自分を具体的にイメージするようになった

Excelの操作に自信が持て、「関数」への拒否反応もなくなりました。
7年ぶりの資格受験で緊張しましたが、合格でき、スキルも手に入れられ、今後の仕事に役立てることができました。

いままでは実務でGoogleのスプシを中心に使っていましたが、エクセルの使用に対して抵抗がなくなりました。

長年のExcelコンプレックスが解消され、自分に自信がつきました。目標だったエクセルシートの自作にも、楽しみながら着手しています。受講を通じて、パワポやWordPressなど、Excel以外のパソコンスキルに対しても苦手意識が薄れました。

Excelは表だけでなく、関数を使って色々な値を求めたり、並べ替えたり、グラフにしたり、色々な事が出来ると知り、楽しくなった。

受講開始前は列と行の区別もついていなかったです。業務でExcelに触れることはありましたが、簡単な数値の入力のみでした。関数は「よくわからないけど、素人がいじっちゃいけないもの」という認識。Excelは限られた優秀な人のみが扱えるソフトだと思っていました。

業務上、PDFなどの表から数値を読み取る作業があり、これまでは目視で行っていたためすごく時間がかかっていた。講座を受けてからは、表をExcelにコピーして、並び変えたりグラフを作ったりが一瞬でできるようになり、感動した。おかげで、より重要な業務に時間を割けるようになった。

MOS-Excelに合格した後、これからの自分を具体的にイメージするようになり、数年先の自分に繋がる「今から学べる事」に興味を持つようになりました。

MOSで具体的に役に立ったExcel操作

ここでは、エンジニア&コンサルでは教わることがなく、MOSを勉強して初めて知ったExcel操作について、3つ源泉してお伝えします。

1.もうはみ出ない!拡大縮小印刷のページ数指定

Excelの印刷設定って、やっかいですよね。
編集して印刷したら、右端の1列だけ「はみ出て」別ページで印刷された・・
実務でExcelをよく印刷する方なら、1度は経験あるはずです。



(2枚目が出力された時の絶望感たるや・・)

この「はみ出る」現象、ある箇所を設定しておけば、二度と起きません。
それが、ページレイアウトの拡大縮小印刷です。

横方向に1と設定しておくと、常に1ページでおさまるよう、自動で縮小が行われます。

①「ページレイアウト」タブ → ②「拡大縮小印刷」の「横」のプルダウンメニューを開く

※横にはみ出している場合は「横」、縦にはみ出しているなら「縦」です。今回は横にはみ出しているので、「横」のメニューを操作します。


③プルダウンメニューで「1ページ」を選択

設定後にもう一度印刷してみると‥

きちんとA4紙1枚におさまりました。

以降はどれだけ列を増やしても、1ページにおさまるように自動で縮小して印刷されます。

2.別シートを横に並べて同時閲覧

データ分析をしていると「同じExcelファイル内の、シートAを見ながら、シートBを編集したい」なんて場面が、少なからずあります。

わざわざ印刷するほどでもないし、紙に出力すると情報漏えいのリスクも増える。
仕方がなく、シートAを別のファイルにコピーしてその場しのぎ、なんてやっていませんか?
白状します。それ、かつての私です。

そんなときは、「新しいウィンドウ」が便利です。
1つのExcelファイルの情報を、複数のウィンドウで閲覧できます。

(例:ウィンドウ1でシートAを、ウィンドウ2でシートBを開いているイメージ)


やり方は、以下のとおり。

①「表示」タブ → ②「新しいウインドウを開く」の順にクリック

③もう1度「表示」タブをクリック → ④「整列」をクリック

⑤「並べて表示」を選択し、⑥「OK」をクリック

これでシートAとシートBを、別のウインドウで並べて表示できました。

もとに戻すには、「×」で片方のウインドウを閉じて、残ったウインドウを最大化すればOKです。

3.複数シートの一括編集

使用頻度は少ないですが、たまーに威力を発揮するのが複数シートの一括編集です。
以下は、1つのエクセルファイルに3つのシート(6月・7月・8月)が存在する様子を表した図です。

いずれのシートもA1~C1に、赤い背景色が記載されています。

例えば、全てのシートのA1~C1の背景色を赤から青に変えたいような場合・・実は、まとめて編集できるのです。
「①シートの選択 → ②見出しを青に編集」の2ステップで完結します。

①まとめて編集したいシートを選択します。

シート[6月]を選択した状態で、[Shift]キーを押しながら[8月]のシートタブをクリック。

これで6月、7月、8月、3つのシートが選択されました。

(なお、[Shift]ではなく[Ctrl]を押しながら8月をクリックすると、間の7月を含めずに、クリックしたシートのみの選択ができます。)

②選択状態のまま、現在表示されているシートの見出しの背景色を赤から青に変更します。

すると、同時に選択されている7月、8月のシートの見出しも青に変わりました。

編集作業を行ったシート(6月)から、他のシートタブ(7月か8月)をクリックすると、複数シートのグループ選択が解除されます。

何かに挑戦するのは、恥ずかしいことではない

最後に、MOSが役に立つかどうか、アピールは恥ずかしいのかどうかに関係無く、何かに挑戦することが、恥ずかしいことであるはずがありません。

MOSが、「誰でも勉強すれば、ほぼ確実に合格できる試験」であることは事実です。
それでも、落ちる人もいるし、参考書だけ買って申し込みすらしない人もいます。

なぜか?勉強するのは、簡単じゃないから。

  • 二度寝の誘惑と闘いながら、いつもより1時間早く起きて、ほとんど人のいないオフィスで、講座を受講する
  • 仕事上がり。飲み会の誘いを断って、家で1人、黙々と問題演習を解く
  • スマホでスイカゲームをやりたいのを我慢して、ギュウギュウの通勤電車の中で参考書を読む
  • 土日。昼間で寝ていたいところを、いつも通りの時間に起き図書館に向かう

等々を2週間~1ヶ月続けて、MOSの資格を取る。

これは、恥ずかしいことでしょうか。やりたいことを我慢して、やるべきことをやり遂げた経験が、役に立たないなんてことがあるでしょうか。

確かに、MOSはスキルの証明には役に立たないし、取ったところで周りからの評価は変わらないかもしれません。

でも、資格に合格することで、自信は確実に身につきます。
より難しい資格や、新たなチャレンジへの足がかりにはなるはずです。

もしあなたが、現状に満足していなくて、何かを変えたくて、資格を取ってみようとMOSに興味を持ったのなら・・後悔させません。ぜひ、チャレンジしてみてください。

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問題を解こうと悩むより、答えを見て動かしてみましょう。
そして、模擬試験などでバラバラに問題を解くより、章ごとに学んだ方が楽です。

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